屋根材の中でもモニエル瓦は、
セメント瓦の一種として多くの住宅に使われてきました。
しかし、一般的なセメント瓦とは違い、表面に「スラリー層」と呼ばれる
特殊な着色層があるため、
通常の塗装を行うと塗膜の剥がれや
早期劣化が発生しやすいという特徴があります。
この記事では、仙台市でも
多く見られるモニエル瓦の
特徴や劣化症状、正しい塗装方法と
費用相場について詳しく解説します。
👉 関連記事:屋根材別の劣化症状と点検方法
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目次
- 1. モニエル瓦とは?特徴と一般的なセメント瓦との違い
- 2. モニエル瓦の劣化症状
- 3. 塗装する際の注意点
- 4. 専用下塗り材の重要性
- 5. 費用相場と施工手順
- 6. 業者選びのポイント
- 7. まとめ
1. モニエル瓦とは?
特徴と一般的な
セメント瓦との違い
モニエル瓦は、
フランスの建材メーカー「モニエル社」が開発したセメント瓦で、
日本でも広く流通しました。
見た目は一般的なセメント瓦や
洋瓦に似ていますが、最大の特徴は
表面にスラリー層という
着色セメントの層があることです。
このスラリー層は、紫外線や
雨風の影響で粉状に
劣化していくため、塗装前に適切な
処理をしないと、新しく塗った塗料が
密着せずに剥がれてしまいます。
👉 関連記事:屋根のカバー工法と葺き替えの違い|費用・工期・メリット・デメリットを徹底比較
2. モニエル瓦の
劣化症状
仙台市の住宅でも、
築30年以上の建物にモニエル瓦が
使われているケースは多くあります。
代表的な劣化症状には
次のようなものがあります。
- 色あせ:スラリー層の劣化により
粉っぽく白化する - 塗膜剥離:通常の塗料では
密着せず、数年で剥がれてしまう - ひび割れ:瓦本体の劣化により
クラックが入る - 雨漏りリスク:スラリー層が
剥がれ、防水性能が低下
特に、スラリー層の粉状化は
モニエル瓦特有の劣化であり、
これを無視して通常の塗装をすると
施工不良につながります。
そのため、モニエル瓦には
専用下塗り材の使用が必須です。
3. モニエル瓦を
塗装する際の注意点
モニエル瓦は特殊な構造を持つため、一般的な屋根材と同じ方法で
塗装すると失敗してしまう
ケースが多くあります。
特にスラリー層の処理を
適切に行わないと、
数年で塗膜が剥がれてしまうため、
以下の注意点を守る必要があります。
① 高圧洗浄でスラリー層を
徹底除去
表面の粉状化したスラリー層を
しっかり落とすことが最も重要です。
高圧洗浄を十分に行い、
瓦の表面を健全な状態に戻すことで、下塗り材や上塗り材の密着性を
高めます。
② 通常のシーラーでは不十分
一般的なセメント瓦や
スレート屋根に使うシーラーを
そのまま使うと、スラリー層の上に
塗膜が乗るだけで、すぐに剥離します。
そのため、モニエル瓦専用の
下塗り材を使用する必要があります。
③ 塗装不可のケースもある
瓦自体の劣化が激しい場合や、
ひび割れ・欠けが多数ある場合は
塗装では対応できません。
その際は葺き替えや屋根カバー工法を検討することが推奨されます。
👉 関連記事:仙台市で屋根カバー工法を検討中の方へ|費用・メリット・施工の流れを徹底解説
4. 専用下塗り材の
重要性
モニエル瓦の塗装で最も重要なのが
専用下塗り材の選定です。
一般的なシーラーでは不十分であり、スラリー層に浸透・固着する力を持つ
専用プライマーを使う必要があります。
使用される主な専用下塗り材
- スラリー層強化プライマー
- モニエル瓦対応シーラー
- 高浸透型エポキシ系プライマー
これらの下塗り材は、
劣化したスラリー層を固めて
塗膜の密着を確保します。
正しく施工すれば、
通常のセメント瓦と同等の仕上がりや耐久性を実現できます。
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5. モニエル瓦塗装の
費用相場と施工手順
モニエル瓦の塗装は、
一般的な屋根塗装よりも
手間と特殊な材料費がかかるため、
費用はやや高くなる傾向にあります。
ここでは、
仙台市での費用相場と施工の流れを
解説します。
① 費用相場
モニエル瓦塗装の費用は、
1㎡あたり3,000〜4,500円が
目安です。
一般的なスレート屋根塗装よりも
1〜1.5割ほど
高くなるケースが多いです。
30坪前後の住宅であれば、
80〜120万円程度が相場となります。
- 部分補修(瓦の差し替え含む):
10〜30万円 - 全面塗装(専用下塗り+中塗り+
上塗り):
80〜120万円 - 劣化が激しい場合の葺き替え:150〜250万円
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② 施工手順
モニエル瓦の塗装は、
以下の流れで行うのが一般的です。
- 足場設置・養生:安全確保と
周囲への配慮 - 高圧洗浄:スラリー層や汚れを
徹底的に除去 - 下地補修:瓦のひび割れ補修や
差し替えを実施 - 専用下塗り材の塗布:スラリー層を固める専用プライマーを使用
- 中塗り・上塗り:高耐候性塗料を
2回塗りで仕上げ - 仕上げ点検・清掃:施工後の
チェックと周囲の清掃
この手順を守らないと、
せっかくの塗装が
2〜3年で剥がれるリスクがあるため、施工経験の豊富な業者に
依頼することが大切です。
6. 仙台市で
モニエル瓦塗装を
検討する際の
業者選びのポイント
モニエル瓦は施工が難しいため、
経験豊富な業者を選ぶことが
何よりも重要です。
ここでは業者選びの際に
チェックすべきポイントをまとめます。
① モニエル瓦の
施工実績があるか
通常の屋根塗装しか
経験がない業者では、
スラリー層の処理を怠り
塗膜剥離を起こすケースがあります。
必ずモニエル瓦の施工実績を
確認しましょう。
② 専用下塗り材を
使用しているか
見積もり内容に
「モニエル瓦専用下塗り材」や
「スラリー層強化プライマー」
といった記載があるか要チェックです。
明記がない場合は、
通常シーラーを使う可能性が高く、
施工不良につながります。
③ 追加費用が発生しないか
屋根工事では、解体後に下地の劣化が見つかるケースもあります。
当社では
追加費用は必ず事前にご説明し、
契約後の不当な追加請求は
一切行いません。
④ 診断士資格を持つ
スタッフが点検するか
外装劣化診断士・雨漏り診断士と
いった専門資格を持つスタッフが
在籍しているかも安心材料です。
写真付きで丁寧な点検報告を行う
業者を選びましょう。

7. まとめ|
モニエル瓦は正しい
知識と施工で
長持ちさせよう
モニエル瓦は、表面にスラリー層を持つ特殊な屋根材です。
そのため、通常の塗装では塗膜が
剥がれやすく、専用下塗り材の使用や徹底した高圧洗浄が必須となります。
仙台市でも築30年以上の住宅に
モニエル瓦が多く残っており、
適切なメンテナンスを行えば
まだまだ長く使用可能です。
ただし、劣化が進んでいる場合は
塗装だけでなく、屋根カバー工法や
葺き替えを検討することも
選択肢のひとつです。
kntリフォームでは、
モニエル瓦をはじめとした
各種屋根材の施工実績があり、
追加費用のない明瞭見積もりと、
資格を持つ診断士による丁寧な点検を行っています。
モニエル瓦の塗装やリフォームを
ご検討中の方は、
ぜひお気軽にご相談ください。

