仙台市では、冬の寒暖差によって外壁の「凍害」が急増しています。
朝晩の冷え込みで外壁の水分が凍り、昼に溶けてまた夜に凍る──この繰り返しが外壁を内側から壊してしまうのです。
「塗装してから10年以上経っている」「浴室側の外壁だけ膨らんでいる」
そんな症状がある場合は、凍害の初期サインかもしれません。
特に仙台市は湿度が高く、冬の最低気温が氷点下を下回る日も多いため、凍害の発生リスクが非常に高い地域です。
この記事では、なぜ凍害が起きるのか、どんな外壁が危険なのか、そして効果的な対処法を詳しく解説します。
目次
なぜ凍害が起きるのか
凍害とは、外壁の内部に入り込んだ水分が冬の低温で凍結・膨張し、外壁を内側から破壊してしまう現象です。
凍ると体積が約9%膨張するため、内部の圧力で細かなひび割れが次第に広がり、塗膜が浮いたり、ボードが欠けたりします。
仙台市のような雪や霜が多い地域では、気温の上げ下げが繰り返されることで
「凍る → 溶ける → また凍る」というサイクルが1シーズンで何十回も起こり、外壁内部に深刻なダメージを与えます。

凍害が起きやすい外壁の特徴
- 外壁塗装の防水効果が切れている
- コーキングが割れ、目地から雨水が侵入している
- 北面や日陰など、乾燥しにくい面
- 築10年以上の窯業系サイディング
特に窯業系サイディングは、主成分の約80%がセメントでできており、多孔質(小さな穴が多い)構造です。
塗膜やコーキングが劣化すると、この穴から簡単に水を吸い込みます。
吸い込んだ水分が冬に凍ることで、外壁の内部からミクロな爆発が起き、表面がボロボロになるのです。
防水効果が切れたサイン
- 触ると白い粉(チョーキング現象)がつく
- 塗膜が剥がれ、下地が露出している
- 目地のコーキングが痩せて隙間がある
これらの症状は、「外壁が水を吸っている」サイン。
そのまま放置すると、冬季に水分が内部で凍結・膨張し、凍害の進行が一気に早まる危険があります。

凍害は一度起きると塗装だけでは元に戻せないケースもあるため、早期の点検・修繕が欠かせません。
浴室側の外壁に凍害が多い理由
仙台市での現地調査では、「浴室側の外壁」に凍害が集中しているケースが多く見られます。
その理由は、室内外の温度差と湿気によって発生する結露が関係しています。
浴室は家の中でも最も湿度が高く、入浴後の水蒸気が壁内部へと入り込みます。
この湿気が外壁の裏側まで届き、外の冷気とぶつかることで内部結露を引き起こします。
この結露水が外壁内部に残ったまま冬を迎えると、夜間の冷え込みで凍結し、外壁材が内側から押し広げられてしまうのです。
浴室外壁が凍害を起こしやすい条件
- ① 浴室からの湿気が壁体内へ移動している
- ② 外壁断熱が不足しており、外気温が直接伝わる
- ③ 北面など日当たりが悪く、外壁が乾きにくい
凍害が進行しているサイン
- 外壁の表面が膨らんでいる
- 塗膜がポロポロと剥がれる
- ボードの継ぎ目が浮いている・割れている
これらの症状は、外壁の内部で凍害が進行しているサインです。
「まだ塗装して数年しか経っていないのに…」というケースでも、浴室側だけ劣化が早いことがあります。
凍害の根本対策には、外壁の通気性と排水性を確保する施工が必要です。
特に窓下などの水が滞留しやすい箇所では、水切り板金やツタワンデーが有効です。
窓下の凍害対策|ツタワンデーと水切り板金の効果
窓下は「雨水が集中して当たる」「結露水がサッシ下から流れ出る」という要因により、外壁が湿りやすい位置です。
この部分の凍害を防ぐには、水を外壁に伝わせない設計が重要です。
水切り板金とは?
水切り板金は、窓下やサッシ下、外壁の見切り部分に取り付ける金属板です。
雨水が外壁を伝って落ちないように、途中で水の流れを切る役割を持っています。
水切り板金を設置すると、雨水が「外壁面 → 板金 → 空中」へと跳ね出すように流れ、
外壁の下部が濡れにくくなります。
費用は部位にもよりますが、1箇所あたり5,000〜10,000円前後が目安です。

ツタワンデーとは?
ツタワンデーは、外壁を伝って流れる雨水を「途中で断ち切る」ためのパーツです。
壁に沿って取り付けるだけで、上から流れてくる雨水を途中で跳ね飛ばし、外壁に水を伝わせない構造になっています。
ツタワンデーは樹脂やアルミ製で軽量。既存外壁にも後付けが可能で、防水・防汚・凍害防止に効果的です。

ツタワンデー+水切り板金の組み合わせが最強
ツタワンデーで水の伝いを断ち、水切り板金で排出経路を確保することで、凍害の原因を根本からカットできます。
仙台市のような寒冷地ではこの2つの施工をセットで行うことで、外壁の寿命を延ばすことができます。
- 取付ビス周辺は防水シールでしっかり処理
- 勾配が逆にならないよう取付角度に注意
- 塗装工事と同時施工で一体感UP
凍害を防ぐための点検とメンテナンス
凍害は、発生してからの修繕よりも発生させない予防が何より重要です。
仙台市では、冬前(10〜11月)の外壁チェックが最も効果的です。
冬前チェックリスト
- 指で触ると白い粉がつく → 塗り替え時期の目安
- コーキングの割れ・隙間 → 雨水侵入ルート
- 窓下や幕板上の汚れ筋 → 水が外壁を伝っているサイン
- 北面や浴室側の膨れ → 内部結露+凍害の疑い
予防リフォーム例
- ツタワンデー+水切り板金の設置
- 高耐候塗料で防水層を強化
- コーキング打ち替え
- 外壁カバー工法による下地保護
放置すると修繕費が数十万円〜に膨らむこともあります。
軽度の段階で対策を行う方が、結果的に費用を抑えられるのです。
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